世界的にみると登山人口が多い国って分かりますか??
実は日本は世界で一番登山者が多い国なのです。

その数は、登山人口で650万人、ハイキングを含めると1200万人に達し、国民の1割にあたります。

目次

なんで登山人口が多いのか??

登山の始まりは「信仰」です。
人々は山を敬い恐れ祈りの対象としていました。
人々の祈りの対象となった山で修験する行者が現れ、神社が建立され祠がつくられたのです。
修験者は次々に山を開山し多くの人々が祈りのために集まるようになった。
そのため、神社は山腹にあることが多いのです。

 

外国の登山状況は??

登山、ハイキング、トレッキングの総人口の1割のを締める日本ですが、アメリカを見てみますと、登山人口は約160万人。
人口比にしますと日本の30分の1になります。

アメリカ人はアウトドア好き??と思い込んでいましたが、ほとんど山に登らないのです。
代わりにアメリカ人が好きなのは、こちらは想定内の「野外バーベキュー」、大型自家用車にキャンプ道具を満載して自然公園でパーティーするのです。

 

登山人口が増えたのはいつから??

日本で登山人口が増え始めたのは平成が始まった1990年頃からでした。
遭難件数は昭和期に700件ほどだったのですが、2000年に1200件に増え、そして昨年の2018年は3129件と倍増。

負傷者数も比例しており、昭和期300人台、2000年に500人超、2018年は1100人以上になったのです…

遭難による死者は昭和期に200人台、2000年に300人程度、2018年は342人となっています。

出典:警視庁

 

 

負傷者は増えていますが、死亡・行方不明者は減少

遭難は死を意味することが多かったのですが、避難しても9割は助かると言う現実。
昭和初期における、避難者数の3割ほどが死者数だったのに対し、現在は遭難件数の1割にまで低下しています。

このことからも、登山はあまり危険なものと認識されず、登山は冒険からレジャーに変わりました。

 

なぜ死亡者数は減ったのか??

遭難者の9割が生還するようになったのは、救助体制の充実と、携帯電話やスマホの普及が大きいです。
山もカバーできる電波が飛ぶようになり、電話あると救助要請でき、通じなくてもスマホに保存した地図とGPSで現在地を知ることができます。

統計によると、遭難者の7割がハイキングや軽登山で、十分な準備をしなかったパターンが多いと言います。

 

山の遭難者の過半数が「60歳以上」

避難者数の増加の中でうちの51%は「60歳以上」が占めています。
また、死者/行方不明者数は「342人」でした。
そのうちの72%を「60歳以上」が占めています。

また20代以下の死亡者は約1%に過ぎませんでした。
高齢者は体力が低下しているのと、方向などを誤認しやすい、若い頃はできたという自信過剰が原因かも知れません。

体力低下は1つ年を取るだけでも、大きく表れます。
去年は登れた坂を、今年は登れない事もあり、自分にあったルートや条件を選んだ方が良いでしょう。

一般的には経験者は遭難しにくいイメージがありますが、実際には「ベテランほど危険」なのが現実です。

山に入った目的は登山2022人、山菜・キノコ採り385人、ハイキング161人、観光141人の順で多かった。

 

遭難の原因は道迷いや滑落、転倒、病気、疲労が目立った。

これは高齢者における、登山の危険性を警告する結果となっています。

山岳による遭難は、自分や仲間が困るだけではなく、警察や消防をはじめとする地域の人々にも迷惑を掛けてしまいます。

 

遭難者は外国人も増加

2018年山で遭難した人は3129人で、前年比で18人増え、過去最多を更新。
その中でも、外国人が大幅に増えました。
特に目立ったのが、未整備の山中を滑る「バックカントリースキー」。

日本山岳ガイド協会理事長の磯野剛太さん(65)によると、日本の雪質がネット上で評判になり、バックカントリースキー目的の外国人観光客が数年前から増えた。

協会は登山届を家族や友人と共有し、遭難の際に自治体や警察と連携する無料サービス「Compass(コンパス)」をウェブやアプリで提供しています。
多言語に対応しており、外国人に利用を呼びかけています。

 

最後に「山岳避難対策」

紹介するのは警察庁による「山岳遭難防止対策」です。
万全な準備をした上で、山を楽しんでください。

・警察庁による「山岳遭難防止対策」
山岳遭難の多くは、天候に関する不適切な判断や、不十分な装備で体力的に無理な計画を立てるなど、知識・経験・体力の不足等が原因で発生していることから、遭難を防ぐためには、以下のような点に留意する必要がある。

・的確な登山計画と万全な装備品等の準備
気象条件や体力、技術、経験、体調等に見合った山を選択し、余裕のある登山日程、携行する装備、食料等に配意し、安全な登山計画を立てる。

・登山計画を立てるときは、滑落等の危険箇所や、トラブル発生時に途中から下山できるルート(エスケープルート)等を事前に把握する。

・また、登山予定の山の気候に合った服装や登山靴、ヘルメット、雨具(レインウェア)、ツェルト(簡易テント)、地図、コンパス、行動食等登山に必要な装備品や、万一遭難した際に助けを呼ぶための連絡用通信機器(携帯電話、無線機、予備バッテリー等)を準備するなど、装備を万全に整える。

なお、単独登山は、トラブル発生時の対処がグループ登山に比べて困難になることが多いことを念頭に、信頼できるリーダーを中心とした複数人による登山に努める。