8月11日は「山の日」ですね?
毎年夏のアウトドアシーズンになると、海や山での遭難事故のニュースが連日のように報道されます。

海のレジャーや趣味の登山などで遭難してしまったり災害に巻き込まれたりすると、ご自身だけでなく、家族や関係者にも心配や迷惑を掛けることもあります。

このサイトでは事故や災害を未然に防ぐよう、また遭遇しないよう対策を紹介しておりますが、万が一事故や災害に遭遇した場合どうしましょう。
海や山で行方不明や遭難した時にその費用負担は誰が賄うの??

その費用は一体どれくらい??

えっ??費用かかるの??

そうなんです。

目次

金額が発生するケースが多くあるのです。

そこで、本日は万が一に備えて検討しておきたいレジャー保険や山岳保険についても見ておきましょう。
今回はケースごとに遭難時の費用がいくらくらい掛かるのかを調べてみました。

増加傾向にある山での避難事故

登山ブームの影響のあり、山での遭難事故は増加傾向にあります。
国土交通省によれば、平成28年の山岳遭難事故の発生件数は2495件、遭難者数は2929人。
10年前平成18年の発生件数は1417件、遭難者数は1853人。
実は山での遭難件数はざっと10年間で1.5倍になっているのです。

目的別に内訳を見てみると、登山やハイキングだけでなく、山菜・茸採りで遭難するケースも多いようです。
では、もし山で遭難した場合はどこに救助を求めればよいのでしょうか?

山岳救助の依頼先は?

日本の山で遭難事故が起きた場合、公的機関か民間かによって無料か有料に分かれます。
山で遭難した場合、初動捜索の基本は「」が担当します。
山岳救助隊の管轄は「消防庁」になりますので、全国の消防本部や消防署の管轄です。
ここの隊に発見されれば捜索費用は無料です。

つまり、海も山も公的機関が捜索して発見されれば、費用負担は税金から支払われる事になります。

・警察から出動するのが山岳警備隊(公的機関・無料)
・消防から出動するのが山岳救助隊(公的機関・無料)
・民間の救助隊は、地元の山岳会や消防団員によって結成されます

さらに、大規模な事故の場合には、特別救助隊(通称レスキュー隊)や自衛隊が救助に当たることもあります。
特別救助隊とは、専門知識と高度な救助技術を備え、人命救助を主な任務とする消防の専門部隊です。

居場所が分かる場合、分からない場合

・居場所が不明で捜索を要する場合は警察へ、
・居場所が判明している場合の救助は消防へ要請します。

しかし、多くの山岳遭難事故は警察が指揮を取るため、迷ったときは110番へ連絡すれば間違いありません。
近くに山小屋がある場合、山小屋へ連絡した方がスムーズに救助してもらえるケースも多いでしょう。

費用はどれくらいかかる?

警察や消防(公的機関)によって救出された場合、基本的に救助費用はかかりません。
民間の救助隊に救出された場合は費用がかかります。

山の場合ここで初めて費用が発生するのです。
例えば民間の山岳会に協力を依頼して、捜索に当たってもらった場合の費用は、
・一日一人あたり2万円~3万円。

150人規模で捜索してその中の10%が山岳会の方だとすると、一日で最低でも30万円ほどかかる計算になります。
これが日増し計算になるので6日間の捜索だと180万円程となります。

さらに、人件費だけではなく以下のものも発生します。

・救助隊の食費・宿泊費・交通費・通信費
・装備や消耗品の費用

空からの捜索は??

山岳救助で忘れてはいけないのは「ヘリコプターでの捜索」。
その際ヘリコプターの費用も発生します。

捜索時にこのヘリコプターが使えれば費用負担はないのですが、高額な維持費用のかかるヘリコプターを持っている山岳救助隊は少なく、多くの場合は民間の業者に頼む事になります。

その場合の費用ですが、こちらは、1時間あたり50万~80万円ほどが相場となっておりかなり高額です。
3時間飛行するだけでも150万円以上になってしまいます。

登山するなら保険は入っておきたい

意外と知らない人も多い、山岳保険。
あなたは知っていましたか?
山岳保険はもしもの時に「入っておけばよかった。」と後悔することがないように、登山に行く際には加入しておくことをオススメします。

海水浴や魚釣りで遭難・事故の場合

警察庁のデータによると、海難事故の発生件数は、毎年1,300~1,500件前後で推移しています。
死者・行方不明者が出る深刻な事故について発生場所別に見てみると、海が56.6%、河川が25.6%となっており、河川では子どもが事故に遭うケースが多いようです。

海難救助の要請方法

海で遭難した場合は、海上保安庁(118番)へ救助を依頼します。
捜索に出た場合の費用は無料です。

なぜ無料かといいますと、海上での捜索に当たる組織は「海上保安庁」にあり、公の機関が捜索の担当になります。
そのため何人当てられても、船を何艘出されても、基本的に捜索費用は無料となります。

また海上保安庁と一緒に、民間のボランティア団体で海難事故の連絡を受けて出動する日本水難救済会が救助を担当します。
ボランティアではありますが、訓練をしっかり受けている救助員たちなので安心です。

捜索費用はかからないのですが・・・

捜索費用はかかりませんが、例えば日本水難救済会の洋上救急制度(医師や看護師を現場へ派遣したり、治療を行う医師と傷病者を一緒に陸上の病院へ搬送したりする制度)を利用した場合、以下の費用がかかります。

・船主等負担金(医師の手当、医師に代わって患者を診察する代診費用、危険業務にあたる費用など)
・事業協力金
・仮に医師と看護師の2人を派遣してもらった場合、その費用は1日あたり22万円です。
また、事業協力金は、洋上の救急活動を維持していくための負担金で、1件当たり10万円かかります。
そのため、山でも海でも、アウトドアでの事故に備えて保険の加入も検討しましょう。

アウトドアが好きな人は対策を

遭難したときの救助費用をまかなうには、海外旅行・国内旅行傷害保険に「救援者費用等補償特約」をつけるのもオススメです。
日帰りのレジャーや数日間だけ利用するなら、24時間単位で加入できるレジャー保険もたくさんあります。

保険料は保険会社によって異なりますが、1日あたり300~500円台で利用できるものが多い。

  • 「ゴルフ」
  • 「スキー・スノボ」
  • 「軽登山・ハイキング」
  • 「レジャー全般」

などの目的別にさまざまなプランが用意されています。

また、本格的な登山が趣味という人は、1年単位で加入する登山保険や山岳保険を選んだ方が割安になるかもしれません。

補償の内容や適用範囲をしっかり確認したうえで、ご自身に合った保険を選んでください。
海や山への気軽なレジャーでも、いつどんな場面で事故に巻き込まれるか分かりません。

事故に遭った際の治療費や入院費だけでなく、他の人を怪我させた場合の賠償や救助が必要になった場合の費用も補償されるレジャー保険は検討しておきたいところです。

ドローンが配備されている自治体が増えています

ヘリコプターは維持費が多くかかるため、最近ではドローンを配備している自治体が多くなりました。
これによって、捜査活動の能力がアップし、迅速かつ効率的な発見が可能になりました。
またスピーカーを搭載したドローンもあり「??さん聞こえますか~。聞こえたら手をふってくださ~い」
という呼びかけまで行うことができ、遭難による事故を防ぐ救世主となっています。
とはいえ安心は禁物で。やっぱり保険には入ってアウトドアへ行きましょう。

あとがき

登山では、少しでも自分の情報を「残して」おくことが大切と言われています。
捜索・救助がスムーズに行くかどうかは、「登山者の情報」が明らかになっているかによると言います。

助けにいくほうも命がけなのです。

本当に手がかりが何もないときは、占い師に、どのあたりにいそうか聞くほどだそうです。
そのため、登山する際は必ずどこを目指すのか、またある一定の時間ごとに連絡をこまめにしたり位置情報により自分の足跡をつけておくことも大切になります。
山に登るときには入念な登山計画書と最新の装備、そして保険も忘れないようにしたいです。