10月10日は…まぐろの日。
日本鰹鮪漁業協同組合連合会が1986(昭和61)年に制定。
神亀3年旧暦9月15日(新暦726年10月10日)、山部赤人が聖武天皇の御供をして明石地方を旅した時、鮪漁で栄えるこの地方をしび(鮪)釣ると海人船散動き『万葉集』巻六・938段と歌に詠んだとされています。

そんな、まぐろの日にまぐろ食べられなくなる日が来るのでは?
海が需要に耐えられない!!
と、マグロロスの危険性と隣り合わせの状態が2000年から続いていましたが…
なんと、昨年マグロが回復傾向にあることが判明。

国際自然保護連合(IUCN)による、絶滅の恐れのある生物を記載した最新のレッドリストによると…、絶滅危惧種に分類されていた太平洋クロマグロを「準絶滅危惧」に、大西洋クロマグロを絶滅の可能性が低い「低懸念」にそれぞれ危機のランクを引き下げました。

やったあ!これで、回転寿司に行ってお腹いっぱい食べられる!!
と思いたいところですが…まだまだ油断は禁物!
食べ方を工夫しないと…すぐにマグロは無くなってしまうのです。

じゃあ、私たちはどうしたらいいの?

「マグロは捨てる部分がない!」とよく耳にしますが…

では、ここで問題です!
マグロ1本に対して、どれくらいが捨てられると思いますか?

Q:マグロ1本の廃棄率は何パーセントでしょう?

答え:マグロの6割が廃棄されているのです。

本気を出すと食べられる部分が多いのに、なぜこんなに捨てられているのかというと…
希少部位を売る卸やお店がそもそも無かったから。

しかし!
SDGsのマインドが広がるにつれ、捨てていた部位に注目が集まり、今では豊洲市場や個人の鮮魚店で、希少部位が売られてところが増えているのです。
それでも、まだまだ身に比べると需要が少ないため、個人で出来るSDGs的食生活として推奨するのは、マグロの部位に美味しさを見出してくれ!
ということです。

例えば、マグロの有効利用として希少部位に力を入れる町の魚屋で千葉県浦安市にある「鮮魚 泉銀(いずぎん)」があります。
端材の利用にこだわりを持ち続けている老舗。

3代目店主の森田釣竿さんによると「マグロは工夫すれば、おいしく食べられる部位も多いため、細かく(調理法を)お客さんに教えながら、販売している」と言います。
例えば、森田さんが推奨する希少部位の調理法。
「カマは塩焼きか煮付け。ホホ肉はステーキがおすすめ。筋がある尾肉はから揚げやカレーなどがいい。
表面の黒っぽい皮は、湯がいて千切りにし、酢みそで食べるとおいしい。腹の薄皮は、いいだしが出るから、お吸い物に最適」などなど。

マグロがいなくなるとどうなる?

単にマグロが食べられなくなる。という単純に話ではなく、海の生態系が崩れてしまいます。
マグロは、生態系の頂点に君臨する魚のひとつであり、マグロが滅びるということは、マグロが食べていた種が増え、その種の餌となる魚が減るといった捕食・被食関係にある生きものバランスが崩れ、海の生態系全体に取り返しのつかない影響を与えてしまうということにもつながります。

マグロ漁にも工夫をする漁師さん

一般的にマグロの獲り方として、釣り針を垂らす「延縄漁法」と大きな網で一網打尽にする「まき網漁法」の2つがあります。

延縄漁法…

では、ここで本日2問目の問題です!

延縄漁法で、小さいマグロを釣らないようにする工夫はどんなもの?

【答え】針を大きくする

マグロはエサを丸のみする魚のため、針やエサを大きくすると、小さな個体は食いつけません。
つまり針やエサの大きさで、獲れるマグロの大きさを管理出来るのです。
そのため、SDGs的な漁法として、少なくともマグロの場合は延縄漁法があっているのでした。