各地で自粛生活が続けられており、各家庭で健康管理が大事になっています。

いま病気になると医療体制が不十分であることが想定され、重病患者以外は、後回しにされることもあります。
そのため、日々の体調管理で抵抗力をキープすることが重要になり、栄養のあるものを摂取するのはもちろんなのですが、そこで注意したいことがあります。

それは、柔らかいものばかりを食べないこと。

家庭内での料理となると、柔らかい=美味しいが定番化しており、どうしても固い食事が出にくくなります。

被災者を脅かした口の衰え

例えば、東日本大震災、熊本地震で実際にあったことなのですが、避難生活が長引くと、心配なのが高齢者の健康状態です。
外出自粛が続いている今、外での活動が少なくなると、動くことがなくなるため、急激に老け込み、健康状態が悪化しやすくなる可能性があります。

実際に避難所においては、食事が思うようにとれず、口の機能が急速に衰えるお年寄りが多いのです。
そのような状態を「フレイル(健康と病気の間の状況)」と呼び、災害施設では起こりやすいことだったのです。

 

東日本大震災をきっかけに重要視された口の健康

口の健康が重要視されるようになったのは東日本大震災からでした。
物を飲み込む力が衰えることで、誤えん性肺炎を引き起こし、亡くなる人が相次いだからです。

しかし、死因は災害関連死という形になっており、直接的な原因が口の健康と結び付けられることは少なかったのでした。

 

口の機能の衰えからの悪循環

東日本大震災でフレイルが進行した原因として、避難所の固い食事が合わず、バナナばかりを食べていたからと言われています。
物を噛んで飲み込む力が低下。
その後食が細くなり、栄養状態が悪化し、避難して2週間ほどで、全身の筋力の低下が発生したのです。

 

日ごろから固い食べ物を食べる習慣を

コロナで自粛生活が続く中、避難所での生活とは違いますが、自分好みの固さばかり選んでいると噛む力が低下します。
合わせて活動量も減っているため、口の機能が衰えと並行して筋力の低下が起こり、全身の機能が衰える「フレイル」状態につながる可能性があります。

東京大学の研究によりますと、口の機能に衰えがある人は、健康な人に比べて4年後に
「要介護になるリスク」が2.4倍。
「死亡するリスク」が2.1倍
高くなるとされています。

 

噛む力の重要性

上記では、主に高齢者のフレイルについての注意点でしたが、噛む力は、高齢者だけでなく、最近の若い人にもその傾向はあるのです。

その理由のひとつとして、若者の顔つきが変化があります。
顔は小顔になり、エラの張った顔が少なくないですよね。
端正な顔立ちが多く、顎の小さな細面が多くなっているのです。

人類学者や歯科医によりますと、「柔らかい食べ物に偏った食生活の影響」であると警告しています。
また、食べ物をよく噛まず、飲物と一緒に流し込むように食べる傾向も指摘されています。

とはいえ、あごが小さくなるのは問題なの??
顔が小さく端正な顔立ちになるだけなら問題はないのですが、顎が発育しないということは、歯がはえる場所が狭くなり、その結果歯並びが乱れることにつながります。
歯並びが乱れるということは、歯磨きのブラッシングが不十分になる恐れがあり、その結果、虫歯や歯周病にかかりやすくなるのです。

 

噛む力、そしてフレイルにならないようにするためには

食べ物を噛むと唾液が出ます。
唾液にはアミラーゼという消化を助けてくれる成分が含まれており、これは噛むほど唾液が分泌され、消化がしやすくなり胃や腸の負担も少なくなります。

またよく噛んで食べることは、脳にある満腹中枢を刺激することにもつながり、少ない量で満腹感が得られ、食べ過ぎ防止になります。

そのため、しっかり噛むことを徹底しましょう。
とはいえ、食事がすべて固いものだと、美味しいという要素が得られにくくなるのも事実です。

そこで、食事のバランスを栄養面だけでなく、固さを基準にするのはいかがでしょう。
例えば、サラダを作るなら、レタス、ほうれんそうだけでなく、れんこんやごぼうなどの根菜類をいれる。

朝食でパンが定番の家庭なら、食パンではなく、フランスパンやベーグル。
白米よりも玄米。
食後のデザートなら、りんご、なし、かきなど。

 

あとがき

世界的にコロナの自粛が続くと、今後予想されるのが食糧不足の問題です。
日本の食料は輸入に頼る部分も大きく、いまはイメージできませんが、この先、米不足や野菜不足が起こらないとは言い切れません。

噛む力について本日書かせてもらいましたが、実は、日本では「咀嚼」が奨励され、全国的な運動となった時期がありました。
コロナでは非常事態宣言が出されましたが、1937年、昭和12年、日本では戦時態勢の食糧難を乗り切るために「国家総動員法」が施行されました。
時は戦時中のため、国内では不足が起こり、「食糧自給」という国策が出されたのです。

とはいえ、自給するのにも限りがあります。
そこで展開されたのが、咀嚼運動だったのです。

咀嚼によって、少ない量でも満足感が得られるようにとの狙いだったのでした。

防災は日ごろの備えがモノ言うものです。
コロナだけではなく、地震や災害もいつ起こるか分かりません。

今のうちに、粗食で過ごす経験や、噛む力をつけ、いざとなった時にでも慌てず生活できるようにしておきたいものです。