このような事実ご存知ですか?
世界的な有名なペットボトル水、100本のうち93本にプラスチックが入っていることという事実。
米ニューヨーク州立大学が国際ブランドのペットボトル水259本を調べたところ…
マイクロプラスチックが93%に混入していたという。
日本人やイギリス人など8か国の成人男女の大便には、平均10グラム当たり20個のプラスティック片があるという事実。
プラスチックが細かく砕けたマイクロプラスチック(MP)が、いま世界中の海や川に増えています。
その事実はご存知だと思いますが‥なんと、日本周辺の海に漂う量というのが世界平均の27倍にもなるのです。
先ほどのデータにもありましたが、日本人の人体に入り込んでいる可能性は大きいのです。
目次
マイクロプラスチックとは??
年間に世界中の海へ流れ出すプラごみは最大で約1300万トン。
そのうち大きさが5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼びます。
原因となるのが、私たちが日常で使うものが大半。
ペットボトルやレジ袋などが、紫外線で劣化し砕けたものや、洗顔料や歯磨き粉に入っているマイクロビーズと呼ばれる小さな粒など。
そして、海に広がったものはもう手遅れ。
現実的に回収できず、しかも半永久的に分解しないため、海のごみとしてたまり続けることになるのです。
マリアナ海溝でも発見されたマイクロプラスチック
2019年1月スイスで開かれたダボス会議(世界経済フォーラム)。
安倍首相は聴衆に向けて環境汚染の警告を宣言しました。
総理が引用したのは、2017年に英アバディーン大学が深海で行った研究結果。
世界一の深さを誇る太平洋マリアナ海溝と、ケルマデック海溝で採取したヨコエビの体内から、発がん性のある化学物質PCBが1グラム当たり最高で905ナノグラム検出されたのです。
実はこの量というのは、汚染された川に生息する生物から見つかる50倍ともいわれるものでした。
安倍首相
「太平洋の最も深いところで、とんでもないことが進行中です。海底にいる小さな甲殻類の体内から(毒性のある)PCB(ポリ塩化ビフェニール)が高い濃度で見つかったのです。原因はMPだとする意見があります」
工場汚染が続いていた高度経済成長期。
大量に使われていたのがPCB。
このPCBは変質しづらい特徴があることから便利なものとして、「夢の油」として広く工業製品に使われていました。
しかし、強い毒性があることが判明し、1970年代には世界中で使用が禁止されたのです。
禁止されたものの、このPCBは一度、環境中に漏れ出したものは分解せず、いまでも海洋中を漂っているのです。
この漂うPCBを深海生物がエサと勘違いして食べ、MPを排出したのではないかと言われているのです。
これもMPが増えた原因なのです。
世界中の海に漂うマイクロプラスチック
世界一深いマリアナ海溝に存在するということは、北極や南極など世界中の海洋にあるという。そして上記しました日本では、世界平均の27倍。
九州大学の磯辺篤彦教授らの調査によりますと、日本海を中心に調査したところ、海水1立方メートル当たり3.7個が発見されました。
北太平洋の16倍、世界の海の平均と比べても27倍多い数。
日本でゴミを流しているというだけではなく、海流の影響でアジア諸国から流れてくるものが多い。
そのため、ハワイ北東の太平洋上にも、同じ理由から集まりやすいという。
海だけじゃなく、川にもMPが存在
東京理科大学理工学部の二瓶泰雄教授(土木工学)らが、15年から国内29河川36地点を調査したところ、すべての河川から見つかりました。
最も多かったのは千葉県の手賀沼に注ぐ大堀川で1立方メートル当たり13.58個。
次に鶴見川(9.69個、神奈川)、利根川(8.68個、埼玉)、緑川(8.25個、熊本)と続く。
首都圏を流れる荒川(4.6個、埼玉)や江戸川(3.41個、千葉)でも多かったという。
二瓶氏
「たくさん見つかった場所は市街地が多く、人口密度とMPの流出量に関連性があることがデータとして明らかに。日常生活で使うプラスチック製品がMP化し、川へ流れ込んでいるのです」。
MP増加の原因は個人にもある
上記しました家庭から出るごみの他、例えば、家の外に放置されたバケツや洗濯バサミが紫外線で劣化して細かく砕ける。
あるいはごみ収集場所の散乱防止ネットをカラスが剥がし、散らかったプラごみがMP化することもあります。
こうしたものが雨水とともに側溝に入り、川へたどり着く。
いったん、川へ入れば、沈まない限りは流れに乗って海や湖へ運ばれるのです。
実際、川のごみにはプラスチック製品が多いという。
そして、そのゴミがそのまま東京湾へ注いでしまうものが相当あるのです。
MPが魚の身体に入るのは自然なこと
調査によると、東京湾のカタクチイワシの消化器官を調べたところ、約8割からMPが検出されました。
1匹当たり平均で2~3個、最大で15個です。大きさ1ミリ以下のポリエチレンやポリプロピレンの破片が80%以上を占め、マイクロビーズや化学繊維もあったという。
さらに調査エリアを女川湾(宮城県)、東京湾、大阪湾、琵琶湖(滋賀県)などに広げたところ、全ての地点の魚から見つかったのです。
全197匹中、マイワシ、カタクチイワシ、マアジ、イシダイ、ワカサギ、スズキの74匹から計140個が検出された。
我々のカラダにすでにMPが入ってる??
日本人が口にする食品の多くにも含まれているのではないか?という疑問から、2017年10月、オーストリア環境庁とウィーン医科大学が日本人や英国人など8カ国の成人男女の大便を調査しました。
その結果、全員の便から検出されたのです。
平均すると10グラム当たり20個のプラスチック片。大きさは0.05ミリから0.5ミリでした。
また、カナダのビクトリア大学の研究者らは人が食品と呼吸から取り込むMPは、年間最大12万1千個に上るとの調査結果を発表。
健康への影響は??
まずプラスチックの毒性はご存知だと思います。
100種類以上の有害化学物質が含まれており、ペットボトルのふたに添加剤として使われるノニルフェノールは、環境ホルモンの一種で、乳がん細胞の異常増殖を引き起こすことが知られています。
また、成人男子の精子数が減少傾向にある原因の一つとして、プラスチックの添加剤に由来する環境ホルモンが疑われています。
水も安心できない。
米ニューヨーク州立大学が国際ブランドのペットボトル水259本を調べたところ、93%に混入していたという。
さらに、海洋中に漂う有害化学物質がMPに付着することで、リスクが倍増する。
今後どうなる??
今すぐ健康影響が出るということは考えにくいが、魚が食べるプラスチック量が増え続ければ、環境中の生物に障害が起きても不思議ではないという。
一方、欧州食品安全機関は「MPそのものが人体へ影響を及ぼすことは考えにくい」と主張。
魚が内臓に取り込んでいても、人間が食べる際には取り除くことが多いため。
あとがき
MPの人体における影響では、まだはっきりした結論は出ていませんが、現状、海に漂うMPを取り除くことは不可能です。
膨大なMPが海にたまっているのは間違いない事実。
このままいけば、50年後には海のプラごみが魚の量を超えるとの試算もあります。
手遅れにしないためにも、これから努力しないといけないことは、これ以上、ゴミの拡散を防ぐことではないでしょうか。
参考文献: 2019.6.24 週刊朝日
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