前回オーストラリア火災の事をお伝えしましたが、山火事が自然現象とは言え、森林が消滅することは地球の財産を奪っているようなもの。

1人1人が出来る範囲のことを行い、森林を守ることに注視する必要があるのではないでしょうか?
と言いますのも、本日は、森林が持つ効果についてお伝えしたいからです。

冬が明け、春になり太陽の日差しが暖かくなりますと、日本では気持ちの良い気候が続きますよね。
海水浴より一足先に「森林浴」を享受できることなります。
とはいえ、なかなか森になんて行く機会ない。
という方も多いのではないでしょうか。

しかし、ぜひ、キャンプや登山をしなくても行って欲しいのです。
や、行ってどうするの??
という人もいるかもしれません。

森林浴のススメ

しかし、今、森林浴によるリラックス効果からさらに発展し、健康効果が大きい事が世界で注目されています。
それは都会では絶対に感じ取れないことであり、実際に、自然から得られる要素は、身体や脳内に具体的な変化を起こすのです。

ただ、これまでは、ぼんやりカラダに良さそうという概念だったのですが、
現在は、科学者達からはっきりと明言されているのです。

そこで、本日は5つの研究をピックアップしご紹介。
都会のストレスフルな生活に参っている人は、カラダの不調を感じたら、一度行ってみてはいかがでしょう。

長野県木曽病院の研究 がん抑制たんぱく質の発見

医療分野で森林セラピーを導入。
森の中に多く発生するマイナスイオン、目や脳にやすらぎを与える緑の色彩、柔らかな日の光、小鳥のさえずりや小川のせせらぎ、そうした環境から得られる健康の相乗効果について、医療分野でも研究が進められています。

森林セラピーとは森林浴で得られる癒し効果を、医療やリハビリテーション、カウンセリングなどに活用する療法。
なんと、たった2泊3日の森林浴滞在で、NK細胞の活性が確認されたのです。

【実験】
木曽病院では都会の疲労度の高いサラリーマンに、2泊3日の森林セラピーを敢行。

【結果】
被験者全員のNK細胞の活性が高くなり、都会に戻った1週間後、さらに1ヶ月後も高い値を維持していたことが判明。
また森林浴後に、数名の被験者から、「3種類のがん抑制タンパク質」が増加したことを確認。
このような効果は、都市部を散歩するという実験では見られなかった現象だったのです。

この他にも、森林浴を体験したグループの方が、唾液中のアミラーゼ値(消化酵素)が有意に高かったことも判明しました。
この実験の結果、現在、木曽病院では滞在型の「森林セラピードッグ」を行っています。

森林セラピードッグはどんなことをするの??
初日に患者さんの体調を診断し、地域の森林ガイドが患者さんと森林コースを散策するというもの。
これが健康増進のための処方箋になっており、木曽病院では、森林セラピーの導入によって、ストレス減少によるメンタルヘルスの改善や、免疫機能の向上などを確認しています。

 

イギリス イーストアングリア大学 妊婦が特に有効

・イーストアングリア大学の研究チームによる論文
緑の多い場所で長い時間を過ごしている人は、多くの慢性疾患の発症リスクが大幅に軽減されているとみられる。

【実験】
20カ国のおよそ2億9000万人を対象にした大研究。

参加者に「実際に森林浴をしてもらう」、「都会の中の緑がある場所で過ごしてもらう」など研究。
そのほか、手術後の回復期を過ごした病室の窓から「緑が見えた場合と壁しか見えなかった場合の違い」や、「緑の多い場所と水辺に近い場所で過ごした場合の違い」などを比較。

【結果】
緑に囲まれた空間でより長い時間を過ごすことは、ストレスから体を守るホルモン、コルチゾールの分泌量がUP。
その他、心拍数、冠動脈疾患や2型糖尿病のリスク、血圧、コレステロール値の低下との関わりも発見。
原因を問わない死亡率の低下と心臓病による死亡の減少にも関連していた。
さらに、妊娠中の女性が緑の中で過ごす時間を増やした場合には、胎児発育不全や早産のリスクが低下していたのです。

また、調査に参加した人たちの間では概ね、「自分の健康状態は良い」と答える人が増加していた。
その中でも、明確な関連性があると思われたのは、緑に囲まれた空間にいることが、身体的活動と社会的交流を促進すること。
日光の照射を増し、公害・汚染源との接触を減らすことは、さまざまな形で健康を促進するもの。
さらに、微生物への接触を増すことが免疫力の強化につながり、慢性疾患や早期死亡のリスクを低下させるという。

研究チームによると、19世紀から都市部に公園や緑地が整備されてきた背景として、人間が当時から健康と緑の関連性を認識していたためではないかと指摘しました。

 

アメリカ スタンフォード大学の研究 マイナス思考の現象

【調査】
2つに分けたグループにそれぞれ自然の中と都会の道を90分間散歩する検証。
その前後で脳内の状態や心拍数、呼吸を計測、いくつかの質問を用意し違いを分析。

【結果】
自然の中を歩いていた人々の前頭前皮質には、変化が見られ、ネガティブな感情からくる緊張障が減少していたことが判明。
また、都会を散歩したグループには、特に精神的なメリットになるような効果は無かった。

 

日本医科大学の研究 公園の木でも効果アリ

日本医科大学教授である清里教授の研究。
被験者は、森林訪問の1週間後にNK細胞活性の増加が確認。
これは木や植物、果物や野菜に含まれるさまざまな精油(フィトンチド)によるもの。
フィトンチドは、樹木が自らを外敵から守るために発する香りの成分で、揮発性が高く、抗菌、消臭、防虫などの効果がありますが、特に私たちが体感するのが、爽やかさです。
また、木も精神を和らげることが判明。

【実験】
498人の健康な人による、森林に2回、管理環境で2回の調査。

【結果】
被験者は、樹木と触れ合ったあとは敵意と抑うつの数値が低下し活力がUP。
そのため、なかなか森へ行けない都会の人は、公園を訪れるだけで木々の影響を受けることができ、たとえ、短時間の接触でも、ストレスレベルを緩和することができとしています。

 

千葉大学の研究 高血圧の人は効果の期待が大きい

日本の森林浴の第一人者、千葉大学の宮崎良文教授の研究によりますと、人間は自然から切り離されたことによって、現在かなら長い時間ストレス状態に陥っているので、森林浴をするだけで、ストレスが軽減され、そして免疫力が回復し、病気への抵抗力を高めることになるという。

また、宮崎教授によると、静かに座り森を眺めるだけでも良い効果が得られるという。
そして、森林浴で最も良い効果を得られやすい人はと言いますと…
「病気にかかりやすい状態になっている人」
例えば、高血圧は自然セラピーによって緩和することが可能だという。

また、簡単に自然と触れ合う環境にない場合はの質問に対し、このようなアドバイスがあります。
「その場合は、公園に行ったり、庭いじりを楽しんだりすることも考えられます。アパートのバルコニーに出るだけでもいいし、エッセンシャルオイルや花を利用することもできます。ただし最も重要なのは、好きなものを選ぶことです。調査を行った結果、自然のどんな小さな要素でも、生理的なリラクセーション効果を持つことが分かっています。
こういったものは、長時間にわたり接していられるという利点もあります」。

 

あとがき

森林浴という言葉が生まれたのは、1982年。林野庁から発表されたものでした。
林野庁としては、多くの人々に森を訪れてリラックスしてもらうことで、その価値を高めたいと考えたのです。

しかし、日本はバブル真っただ中。
お金を使う遊びに夢中になり、そしてゲームはコンピューター時代に突入します。
都市化が加速し、山に行くことは少なくなりました。
そもそも、人類が誕生してから森と共に生活をしてきました。
そして人類は進化を続けました。森がそばにあったからだろうと考えるのは自然な思考ではないでしょうか。