新型コロナ対策では、各国、各都市、自粛生活やロックダウンで感染拡大を防いでいます。
しかし、新型コロナ感染拡大前のイギリスでは、集団免疫によって乗り切ろうという政策が一時上がりましたが、ジョンソン首相の素早い政策転換から、各都市と足並みを合わせるようにロックダウンとなったのです。
世界の主要都市のほとんどは、日常生活を制限する措置をとっています。
特にヨーロッパでは、多くの国がかなり厳しいロックダウン体制となっている中、唯一スウェーデンのストックホルムでは、ロックダウンに頼らない、集団免疫を獲得する政策を進めていたのです。
そのため、スウェーデンでは、全国的な移動規制や外出制限はなし。
レストランやカフェでもいつもの日常があります。
高校や大学は閉鎖されオンライン授業となっていますが、16歳未満は通学し、バーやナイトクラブに至っても、着席スタイルのサービスはOKなのです。
経済的な損失を最小限にすることに成功したと思われたのですが…
アメリカ、ジョンズ・ホプキンズ大学の統計によりますと、5月1日時点で死亡率は12%超の世界最高レベル。
スウェーデン公衆衛生局によると、新型ウイルスによる死者は3040人となり、2万4623人の感染が確認されていると発表。
死者数が最多のアメリカでも約5.8%、発生源とされている中国でも約5.5%。
イランの感染者死亡率約6.3%、スウェーデンの死亡率は、アメリカ、中国の2倍以上となったのです。
集団免疫のメリットはあるの??
人類の歴史を振り返りますと、ウイルスとの戦いには全勝してきており、その勝利の要因は集団免疫を獲得することでした。
スペイン風邪や、SARS、MERSが収束したのも、多くの人がウイルスに感染して免疫を持ったから。
そのため、集団免疫の結論はまだ出ていませんが、コロナ収束の近道として、ウイルスの勢いを封じ込めを成功させる可能性もあります。
一度、免疫ができるとその後は感染しにくいと言われていることから、感染拡大の第2波を防ぐというメリットがあります。
集団免疫の効果はあったのか??
近隣の国であるノルウェー(約2.6%)、フィンランド(約4.2%)デンマーク(約4.9%)の死者数と比較すると3倍近く。
さらに、感染者の回復状況も悪化しており、新たな新規の感染者の数が増え続けています。
しかし、スウェーデンは未だにロックダウンはせず、集団免疫によって、コロナからの脱却を図っているのです。
とはいえ、政府は今の方針に固執はせず、必要な場合には規制を強めることも、検討しているという。
シンガポールが東南アジア最大の感染者数に!
SARS、豚インフルエンザの教訓から、即座にロックダウンを敷き、新型コロナ対策の見本とされ、世界から絶賛されていた国シンガポール。
ウイルスの封じ込みに成功したにも関わらず、そのシンガポールで、いま感染者が拡大しており、500人未満だった感染者数は、4月から20倍以上に増え、5月9日時点で2万2000人を突破。
感染者数が東南アジア最多になったのです。
その理由に挙げられるのが、外国人出稼ぎ労働者による集団感染。
保健省によると、新規感染者1037人のうち982人が、外国人労働者だったと発表した。
全症例の約80%は外国人宿舎が発生源とされる。
人口580万のシンガポールにいる外国人労働者の数は約6分の1となる100万人。
その中でも特に、建設現場で働く労働者は約30万人います。
インドやバングラディシュなどの南アジアからの出稼ぎ組が大半を占めています。
外国人労働者は低賃金ゆえ、集団生活を余儀なくされ、3密状態が続いているのです。
宿舎では衛生管理が不十分となり、満足に病院に通えない環境。
そのため、シンガポールでは、必要不可欠な職種の労働者など7000人を外国人宿舎から移動する措置を取りましたが、まだ約29万3000人が残っていると言います。
感染者の急増を受け、シンガポール政府は5月より比較的緩やかだった外出制限を取りやめ、レストラン、カフェ、企業のオフィス、学校を閉鎖。
さらに自宅を訪れる人との接触も禁止。
2人以上集まらないよう、街の至る所に監視員が配置され厳重体制が敷かれているのです。