新型コロナウイルスの感染拡大は、新しい局面を迎えており、これからさらに流行になる可能性を秘めています。
外出自粛要請が出ているとはいえ、ここ1,2週間程度のことであり、未だに街には人の姿があります。
感染者と死者の数が増え続けるなか、今後考えられるシナリオはどのようなものがあるのでしょう。
目次
最悪を想定すると死者数は6800万人
現在、世界の都市では封鎖によって封じ込めをしていますが、封じ込めが失敗する可能性もあります。
失敗すると、ウイルスが別の場所に移動し、さらに拡散する恐れを秘めていますが、それを回避できてない訳ではありません。
韓国では、アプリによって拡大阻止に成功し、アメリカ、欧州では死亡者数の減少がみられています。
しかし、過去の最悪であった例を見てみますと、終息まで2年を要すると可能性もあります。
2009年、豚インフルエンザが終了した段階で発表されたこと。
「次に世界的なパンデミックが起きたら、日本では3200万人が感染し、17~64万人の死者が出る」予想がNHKで紹介されていました。
オーストラリア国立大学の研究チームによりますと、最低でも第一次世界大戦ほどの犠牲者が出て、最悪のケースだと第二次世界大戦に匹敵するほどの死者が出るだろうと予想。
過去100年間で、世界的なパンデミックは3度起きています。
いずれのパンデミックも終わるまでに2年という月日がかかっていますが、終わっているということは、ウイルスにはいつか必ず終焉を迎える時が来るのです。
【1918~1919年】
スペイン風邪
世界人口の1/3の約5億人が感染し、5000万~1億人が死亡したと言われています。
当時、日本では人口5500万人の8%にあたる39万人が死亡したと言われています。
また、スペイン風の特徴は新型コロナウィルスとは違い、老人よりも青年層の死者が多かったという記録もあります。
今回のコロナウィルスは、スペイン風邪ほど強くないということですが、オーストラリア国立大学の研究結果では、最悪のケースで6800万人、軽くても1500万人が地球から消えることを予測されています。
【1957~1958】
アジア風邪
アジア風邪は中国の貴州省・雲南省発のインフルエンザパンデミック。
これにより全世界で100万人が死亡し、日本では300万人程度が感染、死亡者数は5700人程度。
その多くが子供と高齢者だったという報告があり、終息するまでには2年もの年月がかかっています。
【1968~1970】
香港風邪
全世界では75万人が死亡。
その1ヶ月後には日本にもインフルエンザウィルスが広まっており約13万人が感染し、死者は985名。
一度は収まったかに思えましたが、香港風邪は翌年に第二波がきており、第二波の方が被害が多かったそうです。
こう考えると、新型コロナウィルス は一度収束したと見えても、再拡大して期間が長引くことも考えられます。
そして、終息するまでは他のパンデミック同様に、2年ほどかかるのではないかと予想もできます。
封じ込めに成功し終息する可能性
世界中を混乱に巻き込んでいる感染問題は、SARS(重症急性呼吸器症候群)の場合と同様に、いつの間にか終息してしまう可能性もあります。
過去ウイルスによって、人類が滅びたことはなく、ウイルスは時間と共に、感染能力を失うのが一般的な考え。
SARSの研究によりますと、突然変異によってウイルスの感染力が強化される傾向はないと言われており、自然史においても、ウイルスは感染能力を失うことが示されています。
SARS、MARS、豚インフルエンザが発生した時も必ず収束し、2005年以降にSARSの発症例は一件もありません。
ウイルスのほとんどはこのようなシナリオになります。今回の新型コロナについては同じような結果になるはずで、イースト・アングリア大学のハンター氏によりますと、SARSやほかの飛沫による感染症を研究した過去の経験から考えると、夏季に完全に終息する前に、流行がだんだん縮小していく可能性があるという。
そのため、夏季に終息するまであと2〜3カ月続く予想されています。
定期的なインフルエンザになる可能性
新型コロナが自然に消滅しなければ、風土病ウイルスになる可能性もあります。
風土病ウイルスとは、決して消滅せず、冬の期間に流行を引き起こすインフルエンザのようなウイルス。
このウイルスが最終的には5番目のヒトコロナウイルスとなり、定期的に、インフルエンザとなって表れる可能性があり、それを覚悟する必要があります。
仮に、夏までに終息したとしても、今年の冬、そしてまた来年の冬に現れる可能性がありますが、その期間にワクチンが開発される必要があるのですが、ワクチンの開発には数カ月、長いと数年かかるため、現在行われている封じ込めによって、時間を稼ぐ必要があるのです。