こんにちは。
こちらの記事を担当しております放送作家の横山です。
最近、私のお気に入りの国といえばベトナムで、少し遅いお正月休みを利用して行ってきました。

ベトナムといえば皆さんどんなイメージでしょうか。
東南アジアバリバリの熱気で、街中には屋台が並び、バイクが縦横無尽に走りまくっているという印象ですよね。

その通りです。

いまベトナムは経済発展が目覚ましく、活気があり、観光客もどんどん増えて経済活動、消費活動が熱いのです。
熱いのと比例して、問題になっているのが環境問題。
経済発展と環境問題は対の関係で、避けては通れません。

とはいえ、この環境問題が根付いた現代においては、良い時代に経済成長をしているという見方もでいます。
日本が高度経済成長期だったころには、環境問題の意識は薄かったのですから。

しかし、やっぱり経済や街がが成長するとゴミは出ます。
ベトナムプラスチック協会の調査によりますと、1990年にはプラスチック製品の消費量が一人あたり3.8Kgだったのに対し、2015年には40Kgに増加。25年間で約12倍に増えたのです。

またゴミだけではなく、バイク社会による排気ガスも原因に一つになっています。
そのバイクを見てみますと、9割以上は日本製のバイク。
シェアは約8割がホンダなのです。

では、なぜ技術のホンダは電気バイクを普及させないのか??
それは…東南アジア特有のスコールがあるから。
スコールが降ると、ベトナムでは道路が排水に追い付かずプール上になることがしばしば。
この時電動バイクだと、ショートする恐れがあり、なかなか普及しないようです。

そのため、バイクから出る廃棄ガスは年々増え、大気汚染は深刻です。
さらに工場や家庭から出る廃棄物やゴミ処理にも大きな問題があります。

ベトナムでの、ゴミ問題の現状としては、まずホーチミン市内にごみの分別は存在しません。
現地の日本人の方にも聞いたのですが、マンションで出たごみは、どんなものであろうと一か所に捨ててOKとのこと。
また、街を歩いていると、きったねーと思うこともしばしばで、これどうするの??
という思いに駆られます。

現地に住む日本人の方も、そのように感じられる方が多いようで、心を痛めておりマラソンしながらゴミを拾うブロギングを開催しているそうです。

ビーチに出かけた時もそうです。
ホテルの前のビーチは綺麗だけど、少し外れにいくとプラスチック山盛りの現状。

そんな中、今回ベトナムを一緒に訪れた方の中に、埼玉県で活動されています、ごみの産廃を扱う会社の社長さんがいらっしゃいました。
その社長さんが言われたこととして、お馴染みの話題かもしれませんが、
「日本でもゴミをいくら分別しても、燃やす先は同じで、一緒に焼却炉に入れられている」
とのこと。

分別して燃やすことになると、焼却炉を違うタイプのものを、さらに増加しなければならないため、いまの行政の能力では追い付かないということ。
また、欧米諸国がいくらエコに頑張っても、東南アジアで出すゴミの量に追い付かず、ムダという声もあるようで、増え続けるゴミに対して、一人一人がゴミを出さな努力を継続するのが大切だということを実感しました。

そんな中!!!

目次

ベトナムがスピーディーにエコチェンジしていた!!

私が前回ベトナムへ訪れたのが、2019年10月でした。
今回ベトナムでは、ここ数カ月でかなり進化していたのです。

それを実感したがの、街中のカフェで提供されるストロー。
ホーチミンシティのカフェに連日通っていましたが、カフェでは見事に、プラストローが消滅していたのです。

ストローの歯触りから、すぐにプラではない。
というのが分かりましたがこの原料が何なのかは全く分かりませんでした。

しかし、調べて行くうちに分かったのです。
それが、こちらの米粉ストロー。

「米粉ストロー」はベトナムの宝

ベトナムのスーパーマーケットの棚を見ますと、不思議なストローが並んでいます。
色鮮やかなものもあるため、一目では普通のプラストロー??
と思いますが、実はこちらの原料は米粉。

米粉ストローは2019年から、ベトナム南部ドンタップ省にある「フンハウ食品有限会社」が製造をスタート。
その後、徐々に広まり、ホーチミン市やハノイ市で普及しているのです。
水やお湯に浸しても1時間以上は使用可能で、また食べることも可能。

エコ意識が高まる市内のスーパーマーケットでは、プラスチック製は扱わず、このストローだけの店舗もあります。
まさに今ベトナムのエコに対する意識が急速に変わっているのです。

また米粉ストローはそのカラフルな色合いから、カフェでも大人気。
SNSへの投稿を目当てに来る若者も多く、お店にとって、市民にとって環境にとっても良いのです。

なぜ米粉をストローにしたの??

ベトナムといえばフォーを思い浮かべますよね。
フォー以外にも、ベトナムでは米粉を使った食べ物が多く、米農業が盛んなのです。

外務省のデータによりますと、年間4242万7229トンの生産で世界第5位。
その米ですが、日本では主に、白米として食べるのが主流ですよね?

しかしベトナムでは様々な製法が存在し、米粉を元にした春巻きや麺。また化粧品などにも変化します。
そのような技術を生かし、米粉ストローが開発されたのです。

いま、ベトナムでは、米製品による独自の生産体制を活用し、その地域の特産物としての販売にチャンレジしています。
今後、世界の都市での販売や、商品価値が上がることによって、この米粉ストローは世界のスタンダードになる可能性を秘めているのです。

さらに!!

現在では、米粉のストローだけではなく、鉄製や紙製、竹で作られた製品の種類が増えています。

バナナの葉をビニール袋へ

バナナリーフといえば、東南アジアでは身近な存在で、レストランの器としても利用され、目にしたことがあると思います。
バナナリーフは耐久性もあり、ベトナムでは皿としてだけでなく「包んで蒸す」料理にも多く使われています。
その葉っぱを今度は、スーパーのビニール袋の代替品として使うという試みをしたのです。

タイのスーパーからアイデア

こちらの記事でも紹介しましたが、タイのスーパーでは、すでにバナナリーフを使ってビニールの代替品としたエコ活動が行われていました。
2019年4月、ベトナムの大手スーパーが、そのタイのスーパーに触発され、一部の店舗で試験的に野菜をバナナリーフで包んで売り出しをスタート。

地元スーパーのSaigon Co.opの代表曰く
「包装に天然素材を使用することは、生活環境の保護を訴えるために実用的な方法であるし、消費者にとってビニール袋を使用している商品よりも『身近』に感じられるという利点もある」。

この取り組みにより、政府関係者から称賛する声があがり、他のスーパーも賛同した結果、この活動をじわじわと広がっていったのです。

現在、ホーチミン市やハノイ市をはじめ、ベトナム中部の街ニャチャンのスーパーでも、この包装スタイルが登場したことから、未来志向のこの取り組みは遠くない将来ベトナムのスタンダードになると考えられます。

2019年6月、ハノイで開催された「プラスチックごみ削減のキャンペーン開会式」で、グエン・スアン・フック首相が「使い捨てプラスチック製品の使用の停止を2025年までに目指す」と発表。
ベトナムの官民一体となったエコ活動にも注目が集まっています。

あとがき

米粉ストローを作っている会社は、メコンデルタ地方ドンタップ省サデック市のフンハウ食品有限会社です。
プラスチック製のストローに代替する米粉製のストローを、現在1日当たり10万本(1t相当)生産しています。
そして、この先新たな生産ラインを稼働させ、1日当たりの生産量を5tに引き上げる予定だと言います。

この米粉ストローは国内の他、韓国や日本、欧州各国など海外にも輸出しています。
エコ活動の企業に投資しようというムーブメントの中、私もこの会社の株を購入したい!!
と考えて調べてみたのですが、見当たらず・・。笑
今回は断念しました。

イタリアでは、パスタのストロー、インドでも小麦粉のストローと、世界各地から脱プラ製品が誕生しています。
何かが規制されたら、新しいアイデアが生まれてくるのが世の中の経済活動ですね。
エコでの規制を堅苦しく考えずに、新しいチャンスがあるかも??
くらいの気持ちでエコ活動を楽しく行えたらと思いました。