放送作家の横山です。
前回に引き続きベトナムのお話になります。
ベトナムからの帰国する際、いつもは直行便なのですが、今回のベトナムの旧正月にあたるテトと重なってしまったため、直行便の席が取れず、バンコクでトランジェットしました。
目次
そこで、タイ航空を使用したのですが、タイ航空もエコ進化していたというお話です。
飛行機の国際線では必ず機内食が出されます。
これは航空法で決まっており、もしもの時に備えておくためです。
この機内食を私も毎回楽しみにしているのですが、タイ航空の機内食が、マクドナルドのナゲットを入れるような紙パックで出来ており、トレイも紙でできていました。
一つ一つの重量としては、紙もプラスチックも、さほど変わりませんが、1機になると2,3キロになるでしょうか。
タイ航空の総数だけでも、いや1年間だけでも機内での重量を軽くすることによって、エネルギー消費を抑えることが出来ます。
以前、飛行機に乗る前に〇んこをしましょう。
という記事がありましたが、機内での重量削減に各航空会社の命題なのです。
飲み物サービスや機内食サービスなどで、大量のプラスチックごみが出る航空業界でも、その取り組みが進化している業界のひとつで、ニュージーランド航空は機内で出すコーヒーカップを「食べられる容器にしよう」という試みを発表しました。
機内食容器も食べられる時代に
食べられる容器といえば、日本では海苔や鰹節で作ったお弁当のお皿があります。
例えば、アウトドアでの使用を考えるとかなり重宝するもので、ゴミと帰路の荷物を減らす意味でかなり実用性が高いものです。
そんな食べられる容器が、飛行機で提供されるコーヒーや機内食の容器で、今後は当たり前のことになる未来がそこまで来ています。
植物由来のコーヒーカップ
ニュージーランド航空が同国内の企業twiiceと共同で開発。
そのカップの原料は紙とトウモロコシで、植物由来のもの。
食べられるとはいえ、美味しくないと…
そんな心配ご無用!
味はバニラ味となっており、試飲した人には大好評だったと言います。
もちろんのこと、液体は漏れないように作られており、使用後は分解が可能。
ニュージーランド航空では年間800万杯以上のコーヒーを提供していますが、機内とラウンジでこの食べられるカップに切り替えることで、年間約1500万個相当のカップごみが削減されると予測されています。
さらにニュージーランド航空では、マイカップを機内やラウンジに持参することも推奨しており、ゴミを出さない取り組みが進んでいるのです。
各国で進む食べられる容器
ロンドンのデザイン企業PriestmanGoodeでも「食べられる機内食容器」を発表。
容器の原料はコーヒーや穀物の殻、小麦の表皮部分など。
さらに米のもみ殻に海藻、バナナの葉、藻などを混ぜ、食べられる容器を実現しました。
飲み物用のカップの原料は、コルクやバイオプラスチック(再生可能な生物資源から作られた合成樹脂)となり強度があるため、搭乗中はこの容器で何度もおかわりが可能だと言います。
この食べられる機内食容器は、今世界中から注目を集めており、今後は改善が進められ、定番の容器として普及することだと思います。
さらに、イギリスでは食べられるチケットも登場。
今後航空券もこれに変わるかもです!!
↑こちらは本展示会の「食べれるチケット」© Victoria and Albert Museum
日本でも進む容器革命
食べられる器「e-tray(イートレイ)」という言葉が誕生したように、「料理だけでなく器まで食べてしまえばゴミはなくせる」という大な発想を形にした商品があります。
それが愛知県碧南市に本拠を置く丸繁製菓が販売を進めているこちら。
同社では、元々アイスクリームを包んだり挟んだりするアイスコーンを主に製造していました。
そのため、食べられる容器を作るのに必要な材料や金型作りなどに関するノウハウがあったのです。
この容器ですが、あのご当地グルメで地域活性化を図るイベント「B-1グランプリ」でも利用されており、ゴミ削減に貢献しているのでした。
さらに、ハワイに行った方は一度は口にしたことがある、有名なかき氷・シェイブマツモトでも使われています。
ハワイのお店で毎日捨てられるプラスチック容器の多さに困っていたお店側からオファーがあり使用に至ったのでした。
食べられる容器が普及するメリット
上記のようにゴミを出さないことが一番あがりますが、今後は防災用備蓄としての活用があります。
例えば、器になるゆえに、その賞味期限は長く、もしもの時の防災用備蓄として、家庭やレストラン、公共施設で導入が進んでいくと考えられているのです。
あとがき
長くプラスチック製が私たちの生活に根付き、その利点を享受してきました。
軽く丈夫で、衛生面では優れており、水が貴重な地域においては、お皿を洗わないで済むということもあります。
この先、プラスチックが消滅することは考えにくいのですが、プラスチック製品を買う時に、これは長く使うものか、すぐ捨てる運命になるものか、買う前に少しだけ立ち止まって考えてみたいものです。