なぜ、食品ロスが問題になっているの?
大量の食品が無駄に廃棄され、環境に悪影響も。

日本の食品廃棄物等(※1)は年間2,759万トン、そのうち食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間643万トン(※2)と推計されており、日本の人口1人当たりの食品ロス量は年間約51キログラムです。
日本では、家計における食費は消費支出の中で4分の1※3を占めています。
食料自給率(カロリーベース)は38%(※4で、食料の多くを海外からの輸入に依存しています。
また、世界の食料廃棄量は年間約13億トンで、人の消費のために生産された食料のおおよそ3分の1を廃棄(※5)しています。
(引用:政府広報オンラインより)

※1:飼料等として有価で取引されるものや、脱水等により減量した分を含む
※2:平成28年度推計(農林水産省・環境省)
※3:総務省家計調査(平成29年度)
※4:農林水産省「食料需給表(平成29年度)」
※5:国連食糧農業機関(FAO)「世界の食料ロスと食料廃棄(2011年)」

 

このように、食料を大量に生産、輸入しているのに、その多くを捨てている現実があるのです。

大量の食品ロスが発生することにより、様々な影響や問題があります。食品ロスを含めた多くのごみを廃棄するため、ごみ処理に多額のコストがかかっています。
また可燃ごみとして燃やすことで、CO2排出や焼却後の灰の埋め立て等による環境負荷が考えられます。

経済の観点では、食料を輸入に頼る一方で、多くの食料を食べずに廃棄している状況は無駄があります。
人や社会への観点では、多くの食品ロスを発生させている一方で、7人に1人の子どもが貧困で食事に困っている状況です。

私たち一人ひとりが食べものをもっと無駄なく、大切に消費していく必要があります。

 

客が食べる量を予測して廃棄ロス対策に

回転すし業界では、今や定番となりつつあるAI管理。
その先駆けはスシローだったのです。
2002年に導入した回転すし総合管理システム。
客の「食べる」データを解析。
客の食べる量を予測しており、その結果、廃棄ロスと機会損失の両方を下げることに成功したのです。

その結果、廃棄量は4分の1に。

どうやってデータを集めている?

寿司皿にICチップを取りつけ、「どの寿司」が「いつ」「どれくらい」食べられたか、といったデータを自動で収集します。
このデータにより、売れ筋の商品が判明。
さらに、日付データと「気象データ」を組み合わせるのです。

季節や天候で売上が上下するネタを見つけることができ、ネタの仕入れを調整できます。
また近隣住民のボーナスのタイミングなどのデータもインプット。
店舗ごとの人気のネタもわかるから、どの店にどのネタをいつ運べばよいのか的確に。

あとがき

AI導入前はどうしてたの??
回転すし総合管理システムを導入していなかったころは、店長が顧客の食欲を読んでいたのです。
経験と勘のみが頼りでした。

優秀な店長になると、来店客数や客の体格、待っている客の人数などを観察し、握る寿司の量や回転レーンに流すネタの種類を割り出して店員に指示していたのです。
そしてこの作業が無駄ではなかったのです。

スシローの食欲予測が正確なのは、膨大なデータ量と優秀な店長のノウハウをドッキングさせた成果だったのです。
数字の持つ意味を把握できて、初めてビッグデータは売上高に貢献できるという訳。
スシローのビッグデータには、優秀な店長の経験と勘が詰め込まれているのでした。