自宅やオフィスで火事になった際、まず最初に消火するのことを考えますが、消火が間に合わない場合は、逃げることも大切です。
しかしただ単に逃げればいいというわけではありません。

また、大事なものを持って逃げようとしたり、周りの人に合わせてその場で待機してしまったりすることで逃げ遅れてしまいます。
火事に気がついて、自分で消火できないと判断した場合は、最低限必要なものを持って避難しましょう。

引用元:火災による死者の状況

火災による死亡者数の割合を見ますと、逃げ遅れが多いのです。
でも、なぜ逃げ遅れるのでしょう??

目次

素早く避難すること

火災時の基本行動として「立ち止まり、床に伏せ、転がる」。
これは衣服に火がつかないようにするための動作と、低い姿勢を取り、床の低いところに残っている空気を吸うことを意味します。

そして、あるもので口を覆いましょう。
火災時の行動として、誰もが一度は読んだり、聞いたことがあるとは思いますが、姿勢を低くして口を覆うということで、殺人ガスから少しでも身を守ることが重要です。

そのあるものって何??

【注意】一酸化炭素は怖く、直接の死因になることが多い

火災時の主な死因は、焼死だと思っている方が多いと思いますが、煙を吸って、意識を失ったことによる事故が多いのです。
これが逃げ遅れの原因なのです。

急激な一酸化炭素中毒が起これば、たったの数秒で意識を失うといわれています。
煙の恐ろしさを知らずに亡くなった方もいらっしゃると思います。
意識があるうちに、避難しようと思い普通に呼吸するということが、いかに危険かということがお分かりいただけると思います。

煙には、不完全燃焼によって一酸化炭素が含まれています。
一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結合すると、体に酸素が行かず呼吸困難になります。

これらの症状は一瞬のうちに起こり、あっという間に死に至るケースが少なくありません。

口にふさぐものを用意しておくこと

 

自宅に市販のマスクがある人は多いと思います。
マスクがあるから安心??ではないのです。
マスクでは、一酸化炭素などの有毒ガスはほとんど防げません。

そんな有毒ガスを防げないなら、マスクじゃなくても、タオルでもハンカチでも、口を覆うこと自体が意味ないんじゃない??
と思うかもれしませんが、やらないよりやった方が確実に良いのです。

煙粒子や刺激性のガスを防ぐのに一定の効果があるとされています。
また、濡らしたハンカチがベストという話もありますが、これは火災時の熱い空気を少しでも軽減させることで、精神的な安定効果があるといわれています。

 

ハンカチでもマスクでもタオルでも、例え一酸化炭素の除去効果が期待できなくても、思い切り空気を吸い込まなくなるだけでも大きな効果があるのです。

高温の煙を吸い込むと、気道や肺などが焼けただれる恐れがあるからです。

そして、脱出する方法も考えておきましょう
火事になっている建物から脱出するスキルも大切です。

下に逃げること

火事の際は下に逃げるべきなのです。それが無理なら横に行きましょう。
高層ビルで下の階が燃えている場合、混乱して上に逃げてしまう行動が起こりがちです。

煙の「上に昇る速度」はとても早く秒速5mと言われています。
これは人間が階段を昇る速さの比ではありません。

絶対に戻らないこと


無事に避難できた場合、何があっても建物内に戻ってはいけません。
せっかく避難することができたのに、戻るはずが無いでしょ?
と思うところですが、色々な理由から戻ってしまうのです。

先程引用した、火災による死者の状況の画像を再度ご覧ください。
火事で亡くなった人の1.8%が、避難したにも関わらず再進入したことが原因で亡くなっています。

家の中で取り残されている子どもがいるからと言って、
映画のように、勇敢に飛び込むのは絶対ダメです。

ドアは閉めてから逃げること

火災の際、家の建付けがおかしくなっている場合があります。
例えば鍵が開かない場合もありますので、その時ドアを壊しましょう。
意外と簡単です。外側に開くドアなら、ドアノブの近くを思いっきり蹴ります。
そこが一番弱いポイントです。

そのあと、出来ればドアは閉めて逃げましょう。
空気を遮断することにより延焼を防止するためです。

窓から脱出することも考える

例えば一階が火災で、2階にいた場合。
出口に近づくことができない場合は、窓からの脱出を考えておくことです。

2階の高さなら飛び降りて避難することは出来ますが、3階以上の場合は危険です。雨樋(あまどい)を蔦って避難することができないか、隣の建物に飛び移ることができないか判断しましょう。

日々の生活で確認しておくことも大切です。

また、オフィスで下の階が燃えさかっており、近づくことが出来ないという場合は上の階に逃げざるを得ません。
その場合は、極力火元の部屋から遠い階にまで移動して、窓側で救助を待ちましょう。

あとがき

やっぱり火事もパニックにならず、冷静に判断することが大切です。
とはいえ、火災はパニックに陥りやすい災害がです。

理由として、火事に巻き込まれると、煙によって視界が見えづらくなるから。
そして、火事の煙は目に染み、喉を痛めることになるからです。

火事の煙は最初は白色ですが、火が強くなるにつれ、白色から灰色へそして黒色へと変化します。
煙の色が濃くなれば濃くなるほど視界は悪くなります。

そのため、火事で巻き込まれた際は、視界はとても悪くなるということを
事前に知っておくことが大切です。