サステナブルツーリズムという言葉をご存知でしょうか?
いま、旅行先を選ぶ時に、観光客が一方的にただ消費するというものから、消費を考えるというトレンドが起こっております。
サステナブルツーリズムは、旅行先の地域文化と環境の保全を第一に考えた「持続可能な観光」のこと。
たとえば現地の雇用を生む農業ツアーや、必ずゴミは持ち帰ることを前提とした自然体験ツアーなどがあります。
とはいえ、旅と言えば自らが楽しむのが大前提としてありますよね?
そこに「環境問題」や「地域の伝統文化」を合わせると、ちょっとそこまで余裕がない…
という思いは誰しも持っています。
- そのため、特に意識しなくても、
- 例えば、ポイ捨てしない。
- 使い捨てのアメニティは使わない。
- ペットボトルではなくマイボトルを持っていく。
- チェーン店は避け、ローカル店にお金を払うなど。
旅行の負荷にならない要素はいくつも存在しますので、気づいた時に行動してみてはいかがでしょうか。
本日は、サステナブルツーリズムを超えてしまった一例をご紹介。
以前の記事で北極圏の温暖化問題を取り上げましたが、その北極圏で凄いホテルがあるのです。
目次
世界初エネルギーを作り出すホテル
省エネだけでない。自らエネルギーを生み出す、北極圏にある世界初のホテル「Svart」
氷河のふもと、そして北半球の気候といえば、エネルギーを作り出すのが困難ですが、このホテルでは、エネルギー生産に成功し、
そのため、一般的なホテルに比べて年間のエネルギー消費量を、なんと約85%削減。
年間のエネルギー消費量よりも生産量が上回っています。
これは、北極圏環境では、画期的なことなのです。
同社の野望は、ノルウェー北部の持続可能な観光のパイオニアになることなのです。
太陽光発電が最大限利用できる円形デザイン
フィヨルドに浮かぶ円状が特徴的なホテル。
円状にした理由はエネルギーの最適化設計。
ホテルの円形設計は重要な前提であり、ホテルの部屋、レストラン、テラスの両方が、昼と季節を通して太陽のエネルギーを利用するために戦略的に配置されています。
エネルギー生産の標準に到達するために、数多くの最先端の設計が行われました。
たとえば、建築家はエネルギーの収穫を最適化するために、年間を通して、太陽放射がどのよような角度で建物に降り注ぐのか、山岳地帯の地形を幾度となく調査。
太陽光によるエネルギーを1年中最大限に利用できるよう、ホテルの円形状デザインや、部屋やレストラン、テラスの位置が決定。円形デザインにたどり着いたのです。
そのため、スヴァルトはホテルではあまり見かけない円形となり、北極圏の自然と気候、および360度の景色を望む画期的なデザインになりました。
さらに省エネ出来ないかを追求
スヴァルトが建築の際に参考にしたのは、ノルウェー古来の建築術による「フィスケジェル」(魚を干すために使用されるAの形をした木の建造物)とロブ(伝統的な漁師の木造家)。
地元の建物の延長線上として考えた結果、スチールやコンクリートなどのエネルギーコストが大きい材料の使用を避けることで、ホテルが物理的に環境に及ぼす影響を最小限にすることに成功しています。
さらに、建物の正面全体は、夏場の太陽光を防ぐようにデザインされているため、クーラーいらず。
また、夏場の日照時間が長いノルウェーの特徴を生かし、太陽エネルギーの年間生産量は非常に大きくなります。
ホテルの屋根を見ますと、水力エネルギーによって作られたノルウェー製のソーラーパネルが設置。
寒く長い冬場には、太陽光を最大限に取り入れ、建物を温められるような大きな窓がデザインされています。
結果、この円形の形状によって、フィヨルドのパノラマビューと自然に近い生活の体験が出来るようになっているのです。
アクセスを制限
ホテル周辺の貴重な自然にはボートでしかアクセスできません。
また、ボードー市からホテルへのエネルギーニュートラルボートシャトルを導入する計画があります。
この名前はスヴァルティセンの自然遺産、その貴重な氷河、およびその自然環境への言及です。
冬には、ボードウォークを使用してボートやカヤックを保管し、ガレージや追加の保管スペースの必要性を減らします。
あとがき
エコツーリズム、サステナブルツーリズムがトレンドのなか、エコホテルだけを掲載したサイトがあるのです。
それが『Zerobnb.com』
Bnbという響きから、民泊大手のAirbnbのパクリ??
と思うようなものですが、ここでは持続可能性に配慮した宿泊施設のみを掲載しています。
このサイトを作ったのは、これまた北極圏の国、フィンランドのエネルギー会社。
Zerobnbに掲載されているカテゴリーとしてこのようなものがあります。
・リサイクルステーションの設置
・プラスチックゴミ最小化の推進
・地元の持続可能な交通・サービス・レストラン
など
今後、エコツーリズムをしたいという旅行者のニーズが高まると、一度は目にする機会があるサイトになるのでしょうか?