夏のイベントが待ち遠しく思うところですが、イベントといえば、大勢の人が集まる場所ですよね。
その時、頭に入れておきたいのが、集団パニック。

花火大会でも群衆の下敷きになった事故が記憶に新しいですが、、また、中国の映像でよく見かけるバーゲンセールでの群衆下敷き事故などもなんでそんなことになるの??という気持ちで見てしまいがちですが、いざ群衆に入るとマインドをコントロールしづらいが群衆パニックなのです。

とはいえ、イベントだけでなありません。
地震に始まり、火事や電車事故といった、人が集まる場所では起こる可能性があるのです。

目次

世界の集団パニックではこんなことがありました
・2015年メナー群衆事故   サウジアラビアのマッカ州メナー
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サウジアラビアのメッカ近郊の谷メナーで、年1回のハッジ(大巡礼)に訪れていた多数の巡礼者が将棋倒しとなり圧死した事故で、窒息死などにより多数の死傷者を出した。
サウジアラビア政府は死者数を769人と発表したが、その後のAFPの集計では死者数は少なくとも2,181人に上ると発表している。

・ラブパレード事故  2010年7月24日 ドイツのデュースブルク
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世界最大規模の音楽イベント「ラブパレード」で、入場口とされていたトンネル出口にあるランプ(斜面)に人があふれて倒れる人も生じ、圧迫によって21人が死亡、500人以上の負傷者を出すという惨劇が発生しました。

この惨事を受け、ラブパレードの永続的な中止が主催者から発表された。

・竹下通り将棋倒し事故  2010年3月26日 日本の竹下通り
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東京都渋谷区神宮前の竹下通りで芸能人イベントがあると聞いて集まった買い物客らが折り重なるように倒れた。
この事故で13歳の少女がケガをし、現場で救急隊の手当てを受けた。

アイドルが来るとのデマがネット上で流れ、メールやツイッターを通じて爆発的に広まってしまったことが原因と考えられています。

群衆心理に火がつくと暴走が始まり、ときに危険なので本日は頭に入れておきましょう。

群衆乱流には気を付けること

並んでいる行列が止まることで人々がだんだん前に詰めると、人工密度が高まります。
その密度があるラインを超えたときに様々な方向に力を伝えあって、人にダメージを与える「群集乱流」が生じるのです。

では、非常事態に混乱している大群衆が出口に殺到する場面に居合わせてしまったら、どのような行動を取れば安全に避難できるのでしょう。

転ばないようにすることが大切

サバイバリストのBear Grylls氏によると、まずは転ばないように努力すること。
転んでしまった場合は、頭をカバーして壁の方へ逃れるようにしてください。
起き上がれない時は、身体を横向きにして丸まり、頭を両腕で覆ってダメージを最小限に抑えてください。
立ち上がれるようになり次第、人の群れの外側に向かって移動するようにします。

大声を出してはダメ。

パニックにならず平常心を保つ。これは災害の時と同じですよね。
とにかく冷静さを忘れないこと。パニックに陥った人々は必ず出口に殺到してしまうものなので、我先にという考えはやめましょう。
絶対にパニックになってはいけないのです。

イベント会場は来場者の安全に責任があるので、最初に非常時の脱出の仕方を明確にして、人々が混乱しないようにすべきです。
ガイダンスや情報や安全な避難所への誘導が無いと、混乱を招き、人々は生命の安全を損なう行動を選択をしてしまうかもしれません。

生命保存本能で自己防御とパニックになり、他人と争って、出口に殺到することになるでしょう。

先ほどの注意で、群衆に踏みつけられることも怖いと感じがしますが、実際に怖いのは酸欠です(圧縮性窒息)。

常に平常心を保ち、意識を集中して、周囲の状況を把握しましょう。
叫んだり怒鳴ったりすと、酸素が無駄になるのでやめましょう。

我先にと急ぐのはダメ

群衆と同じペースで動きましょう。
その場に留まった方が安全だと判断すると、群衆の流れに逆らいたくなりますが、それは得策ではありません。
群衆の力には勝てないので、ケガをするかもしれません。

ですから全体のペースにあわせて動きましょう。

安心しないこと

パニックが比較的早く落ち着き、避難もスムーズになっていたとしても安心しないこと。
人は直ちに行動せず、人は情報の意味が判るまで動かないのです。

しかし理由のある依頼には承諾します。 例えば「津波が来るので逃げて」などです。
韓国のセウォル号沈没事故では、非現実的楽観主義(正常化バイアス)がかかり「平常時と同じ」と思いこもうとし、また「そのまま留まれ」と言われたために逃げ遅れました。

みんなと同じ出口を目指すのは時としてダメ

人々が一斉に1つの出口に向かって走っているときは、直感的にそれがベストな選択のように思えますが、必ずしもそうとは限りません。
一般的には一番近くの出口を見つけることが勧められますが、全員が同時に殺到すると、潰されてしまいます。
多少遠くても、別の出口を使うことも視野にいれましょう。

その時、動きやすいのが左側通行をすること。
人は自然に左側通行になると言います。
そのため群衆と違う方向に行く場合は左側通行がスムーズになります。

とりあえず群衆の中にいるのはダメ

大群衆の中心にいると最も出口に到達しにくいので、全力で中心から外れるようにしましょう。
人をよけながらジグザグに進み(まっすぐ進むと、前の人を押しのけるだけで終わってしまいます)、人混みの端っこに行くようにしてください。

それができないときは、柱などの堅固な建造物を見つけてください。
群衆は、そこにぶつからないように動くので、安全を保ちながら身を隠すことができます。

あとがき

映画の最後に流れるエンドロール。プロ野球のヒーローインタビュー、ライブのアンコールなど、イベントが終わったあと、ちょっとした催しがあることが多いですよね。

実はこれ、イベント終了後、群衆が殺到するのを防ぐためだったのです。
ばらばらに帰ってもらうような仕掛だったんですね。

また群衆コントロールのお手本と呼ばれるのが、東京ディズニーランド。
出入口近辺を思い出して下さい。

お土産屋がいっぱいですよね。もちろん最後に買ってもらうというのもあるのですが、ここもやっぱり、帰宅客の集中を避けるためだったのです。