2019年10月12日。
今年19個目に発生した台風19号は、最大風速44メートルを下回らないまま、静岡県伊豆半島に上陸しました。
この台風に伴う発達した雨雲が広範囲に大雨を降らせて、歴史上初めて、関東から東北、北陸の広い範囲に大雨特別警報が発表されました。
多くの地点で 観測史上最も多い24時間雨量を記録。
気象災害としては悪い意味で、歴史に名を残す事態になってしまいました。
目次
年々大きくなる台風被害
約1ヶ月前に関東地方を襲った台風15号。
千葉県内に今までに例のない、大規模な停電をもたらしました。
さらに遡ると、昨年大阪を襲って高潮や暴風による大きな被害を引き起こした台風21号。
立て続けにやってくる勢力の強い台風。
どの台風の時も、日本近海の海水温度は平年より1度から2度ほど高い状況の中での日本接近でした。
温暖化の影響は海水温度上昇も…
地球温暖化は大気の温度のみならず、海水の温度も上げてしまいます。
年平均海面水温(全球平均)は、過去100年間で0.54℃上昇しました。
1997年に京都で開催された、第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)にで報告された、温暖化が進むと台風が強い勢力のまま日本にやってくる、という予測が今、現実になっています。
今回の19号では、かなり広い範囲で避難勧告や避難指示が出て、数百万人もの方が避難を余儀なくされて、一部の避難所では収容可能人数を超えたところもあり、今後の課題を残すこととなりました。
また、別の新たな問題も懸念されます。
もし多くの住民が押し寄せた避難所に何かのウィークポイントがあって、被災してしまった場合、甚大な被害が出てしまう可能性があります。
例えば、浸水に強い高台の避難所も暴風によって屋根が損傷してしまえば、避難所の役割は果たせなません。
ハザードマップに目を通そう!
避難所の充実は行政の大きな課題ではありますが、皆さんももう一度自治体が作成しているハザードマップに目を通してください。
ハザードマップには「洪水」「土砂災害」「津波」など様々な種類があります。
そして、自分の住まいの場所とそれぞれの災害に対する避難所をチェックしてください。
「土砂災害のときは ○○避難所へ…」
などの注釈が書かれているものもありますので、見逃さないように。
そして、 避難所に向かうルートのチェックも必ず事前にやっておくこと。
今回の台風19号でも、避難所に向かう途中に川を渡ってしまい、流されてしまった方が実際におられました。
できれば日中と夜間の両方で、実際に避難ルートを歩いてみるべきでしょう。
自分の身は自分で守る!
災害時の一番大事な考え方は「自助」。
自分の身は自分で守る。
避難勧告、指示が出た時にそれに従うべきか?
自宅の安全の場所にいた方が被害を避けられるかも?
また指定されている避難所は、果たして今回の災害に耐えられる場所なのか?
災害が起きるたびに浮かび上がる克服していかなければいけない問題。
それぞれの解決策を探っていくと同時に、台風の強大化を抑え、異常気象をこれ以上多発させないためにも、気候変動に対する取り組みも同時に必要だと思います。