温暖化を防ぐ努力。
各国はどれくらい実行、実現しているのでしょうか。

声高々にエコを歌っていますが、実際のところ、いまのところ有効な対策が実を結んだというのは少なく、今より、良いと言われる環境を作り出すことは不可能と言われている環境問題。

北極海の氷が年々小さくなっているのはご存知ですよね。
温室効果ガスの影響で、地球全体で2℃上昇すると言われていますが、上昇するのはあくまでも地球全体の平均であり、北極や南極では5℃、6℃上がるだろうと推測されています。

これが続くと、10年後の2030年には、氷が最も少なくなる9月にはゼロということだってありうる訳です。

経済の利害関係が先行し、地球ファーストの考えに立っていない現実。
以前の記事に、海のマイクロプラスチック問題を取り上げましたが、それと同様に、海のでいま問題になっているのが、海の酸性化。

 

大気中のCO2が海に溶け込んでいる

二酸化炭素など温室効果ガスの増加は、気温の上昇と同時に、CO2が海水に吸収されることによる海の化学変化(酸性化)を引き起こします。

産業革命以前、人間活動の影響がまだなかった海では、カルシウムイオン、炭酸イオンが十分に存在し、サンゴや貝が自分の体を作るのに必要な炭酸カルシウムを簡単につくることが出来ました。

ところが、海水に二酸化炭素が溶け込んでくると、それが酸として働いて、炭酸イオンを減らしてしまいます。
これが「海の酸性化」。

 

過去3億年において過去最低の海の酸性度

左:1990年時点の海洋pH分布 右:2016年時点の海洋pH分布出典:気象庁

世界気象機関(WMO)によりますと、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の地球の平均濃度(年平均)は1984年の統計開始以来、過去最高値を出し続けています。

CO2濃度は減少に歯止めがかからず、産業革命前の1975年との比較によると、2013年の大気中のCO2の量は推計で約1.4倍。
また、他の主要な温室効果ガスであるメタンは約2.5倍、亜酸化窒素も約1.2倍に達しているのです。

海洋の観測や調査を行っている、気象庁にある凌風丸は、太平洋上で水のサンプルを採取しています。
採取した海水から、溶けている二酸化炭素の濃度のデータを調べているのですが、30年間の変化で、太平洋の至る所で海の酸性化が進んでいることが明らかになりました。

現在の海水の酸性度は過去3億年において最悪とみられ、今後もこの傾向は続く見込みなのです。

 

海が酸性になるとどうなる??

サンゴが死滅するというのは、綺麗なサンゴ礁が見られなくなるという、ロマンティックな話だけではなく、地球にもっと深刻な問題をもたらします。

それを例えるなら、地球に酸素を供給しているアマゾンの熱帯雨林が消滅してしまうようなこと。

サンゴは、海洋中のカルシウムイオンと炭酸イオンとが反応してできる、炭酸カルシウムで骨格をつくっています。
このまま海のアルカリ度が下がっていくならば、サンゴ礁の材料となる炭酸カルシウムを海水が腐食し、サンゴは死滅する可能性があります。

サンゴ礁の役割として、多くの生物が身を隠すことが出来、4000種の魚類を含む海洋生物の25%の生存に不可欠なもので、それが無くなるということは、魚の生息地が少なくなることを意味します。

また、環境省が行った調査によりますと、沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」は約9割が白化し、うち7割は死滅していることが判明したのです。

白化とは、サンゴが海水温上昇などのストレスを受け、共生している藻の仲間がいなくなった状態のこと。
この状態が続くと、そのうち死滅します。

サンゴにとっては、「酸性化」と同様に白化も死活問題なのです。

さらに!
サンゴに代表されるような炭酸カルシウムの殻を持っている生き物にとって、酸性化が進むと、殻を作りにくくなります。
そうなると、貝類がうまく育たなく、貝類が絶滅する可能性だってあるのです。

そして、それが最悪のケースになると、海水の化学変化と温度変化によって、海底の堆積物に混ざっている安定したメタン化合物が分解、大量のメタンガスが大気中に放出される可能性もあります。

 

メタンガスが放出するとヤバいことに!

メタンガスの温室効果は二酸化炭素の何倍も大きく、過去にも地球温暖化を加速させたことが知られています。
海底堆積物のサンプルからすると、大量の海洋生物が消滅し、海の表面温度が4~6度も上昇した「PETM」とう時期にも、メタンの放出が起きていた可能性が推測されています。

当時の海面は今よりも最高で100mも高く、現在のヨーロッパの大部分、北米の北東沿岸部、南米のアルゼンチンが水没するレベルでした。

また、海面の二酸化炭素が増えると、それは植物性プランクトン(藻類)の栄養となり、大発生を起こします。
大発生した藻類の死骸は海底に沈み、腐敗の過程で酸素を消費。
そのため一帯は低酸素ないし無酸素状態となり、酸素を必要とする生物が死滅する恐れがあります。

 

魚類を食べられるのは金持ちだけなる未来

藻類が死滅する際に酸素を奪うだけではなく、その後死骸が出す有害物質があります。
この有害物質が出るエリアには魚は住めません。
それは「デッドゾーン」と呼ばれ、年々増加しています。

その数は60年代から飛躍的に増え、今では全世界で400ヵ所と推測。
生物絶滅を何度も乗り越えてきた、クラゲは酸性化に強く、この先…庶民が口にできる海産物はプランクトンとクラゲだけになり、ごくわずかしか市場に出ない魚類を食べられるのは、金持ちだけになる未来が来る可能性があるのです。

 

あとがき

環境の変化に適応で、年億年と生存をしている生物もいますが、急激な変化には、耐えられずに消えていく種のほうが多いとみられてみます。
例えば1000年で1℃上がるとか、1万年で2℃上昇という変化なら、その変化に合わせて、生き延びることは出来ます。

植物は、温度や雨量の変化に適応し、存在できる場所を見つけたとしてもすぐには移動できません。
それは何百年、何千年とかかる訳です。

例え動物が適応したとしても、植物がついてこられないということが、問題になるのです。