新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ニューヨーク市では、住民の外出禁止令が出され、各国でもその動きは進んでいます。

例えば、スペインでは正当な理由なしに外出した場合、巡回中の軍によって拘束される可能性があります。
ドイツで人口第2位の州、バイエルン州が封鎖など。
そして、まだ感染が拡大していないベトナム・ホーチミンにおいても、マンションから出ることが封鎖され、食糧は政府職員が運ぶという事態にまで陥っています。

いま、日本では諸外国と比べると感染者数は抑えられていますが、今後、まだ不明な点が多い新型コロナウイルスゆえ、いつ、私たちも外出禁止になるか分かりません。

いま輸入に頼っている食材が、一時的に不足する事態も想定されます。
そのような状況を考えたくはありませんが、その時に備え、家庭で生活できる食料を用意しておきたいものです。

目次

家庭に備蓄は十分でしょうか?

2011年、厚生労働省の国民健康・栄養調査によりますと、「災害時に備えて非常用食料を用意している世帯の割合」は47.4%と半数以下でした。
その後、多くの震災に見舞われた日本では、被災を経験した人は意識が高いのですが、なかなか、いざ困った状況にならないと危機感を持ちづらいのが現実です。

いま出来ることとして、以前紹介しましたローリングストック法を実践しながら、食糧をストックする方法なら、備えも出来て、ストレスなく生活できると思います。

ローリングストック法とは、在庫を回して切らさずに使っていくこと。
非常食に賞味期限の長い備蓄食品を入れっぱなしにすることなく、日常食と活用し、使ったらその分だけ次の買い物で買い足していくような方法です。

ローリング法を日常に取り込む、これで準備万端!
と思いたいところですが、非常時の食事として、レトルトやカップ麺を食べ続けると、栄養が偏った状態が続き、健康を損なう恐れがあります。
そこで、不足するのが野菜や肉なのです。

 

【見直しましょう】
備蓄食料で栄養が足りていない現実

外出禁止が実行されるとなると、日本人の習性から、食糧確保の動きになり、スーパーから食料が消えることが予想されます。
また外部からの支援物資も確約されている訳ではなく、物流機能の停止も考えうることで、食料が手に入らないことも想定されます。
その間、備蓄食料をやりくりしていく必要があります。

2019年に改訂された「災害時に備えた食品ストックガイド」(農林水産省)によりますと、家庭備蓄は「できれば1週間」を推奨しています。
しかし、これまでの災害といえば、局所的で発生するケースが多かったのですが、今は、日本全体、そして世界全体にまで広がっています。
そのため、最低でも2週間分の備蓄が必要と考えます。

では、その備蓄で用意しておきたいもので、水や主食になるものは、恐らくどの家庭でもストックしていると思いますが、それだけでは、栄養が偏ります。

例えば、東日本大震災の避難所で食事状況を調査によりますと、多くの避難所では穀類など主食が過剰に供給される一方、乳製品、肉類、野菜など、おかずになる食品は不足しているところが多かったのです。

おにぎりやカップ麺などの、主食のみでは必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養が不足し健康へのダメージリスクが高くなります。

起こります。

先が見えない待機生活が予想される中で、いかに栄養をとり健康状態の悪化を防ぐかということを考えましょう。
そこで、栄養を備蓄出来る備蓄食料として、以下の3つがおすすめです。

・冷凍できる野菜、肉
・缶詰
・日持ちがいい野菜

 

冷凍できる野菜・肉

まずは、冷凍出来る肉、野菜はスーパーで購入して自分でパッキングすることは、難しく、時間もかかるため、レストランが購入している食材卸サイトから購入するのがお勧めです。

Mマート
https://www.m-mart.co.jp/

例えば、オクラは1kg150円ほどの値段で販売しているところもあります。
ただし、ロット数が多いため、自宅の冷凍庫が小さい場合はオススメできません。
ここに掲載したサイトは一例ですので、小ロットでは他の通販サイトで販売しております。

 

実は栄養価の高い缶詰

缶詰は高温で加熱殺菌されるので、栄養価が劣るとイメージが先行していますが、実は、空気を遮断した真空状態で加熱しているため、ビタミンや他の栄養成分において、家庭で調理したものほぼ同じレベルの栄養価があります。

・サバ、イワシ、サンマの缶詰
「さば水煮」、「さば味噌煮」、「さんま蒲焼」、「いわし味付」などは、原料そのものにDHAが多く含まれています。
サバ缶においては、1日1缶食べると、厚生労働省が国民の健康維持などを目的とした基準の中で推奨している、「DHAおよびEPAの目標摂取量を1日1g以上が望ましい」というのをクリアできます。
また、缶汁の中にも、油やうま味、DHAがたくさん含まれていますので、調理方法を工夫して、捨てずになるべく残さずに使いましょう。
さらに、加圧加熱殺菌により、骨まで軟らかくなっていますので、骨も食べて、カルシウム分を摂取しましょう。

・みかんの缶詰
みかん缶詰では原料のみかんが持つビタミンCの約80%が保有されています。
また、加熱で減少しにくいビタミンAやE、ミネラル、食物繊維はそのまま残っています。

・トマト缶
加工用のトマトは完熟したものを加工しているため、生食用のトマトに比べて栄養は豊富です。
リコピン酸は生食用に比べてを約2~3倍も多く含んでいます。

・桃の缶詰
缶詰の桃のビタミン C 含有量は、トマトやミカンと同様に、生の桃よりも4倍も多いと言われています。

 

長く常温保存できる野菜

・ごぼう 保存の目安:約2週間
・里芋 保存の目安:約1カ月
・かぼちゃ 保存の目安:約2カ月
・タマネギ(新タマネギは除く) 保存の目安:約3~4カ月
・じゃがいも 保存の目安:約4カ月
・さつまいも保存の目安:約6カ月

 

あとがき

市場調査会社ニールセンによりますと新型コロナウイルスの感染拡大の恐れが出てきたアメリカでは、医療用マスクの価格は4週間で4倍以上に跳ね上がり、アルコール消毒液の売り上げは73%伸びと言います。
また、備蓄食料を買い求める人々が殺到しており、在庫が底をついているスーパーも多いそうです。

そのような事態は、日本でも経験済みの人が多いと思いますので、その時に慌てないように、日常にローリングストック法を取り入れて、いつものように日常を送りたいものです。